痛みの少ない治療を希望するなら…
浸潤麻酔と静脈内鎮静法
インプラント手術の麻酔
インプラント手術は、歯を削ったり神経をとる時と同じ局所麻酔薬を使用して行われます。手術を受ける患者さまは歯を失っているのですから、過去に局所麻酔を行なって歯科治療を受けたことがあります。お口の中の麻酔に関しては目新しいことはありませんのでご安心ください。
また、点滴を行なって鎮静剤を投与する静脈内鎮静法も行なっております。手術中に不安がない状態になり快適なため、当クリニックではほとんどの患者さんが静脈内鎮静法を希望されています。
浸潤麻酔
また、手術に大きな不安がある方や、手術侵襲の大きいオール・オン・フォーや、サイナスリフト、各種骨造成などを行う場合には、よりリラックスした状態で受けられる静脈内鎮静法を併用します。
かねこ歯科インプラントクリニックでは、歯科局所麻酔を丁寧に行っています。なるべく痛くない治療を行うために、電動注射器と31G極細の麻酔針を使用し少量ずつ麻酔薬を投与しています。
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法とは
通常の医院では、静脈内鎮静法を行う際に外部から歯科麻酔医の応援を頼む場合が多いようです。一方、かねこ歯科インプラントクリニックの院長は大学病院麻酔科での麻酔医経験があるため、インプラントの埋入と静脈内鎮静法の両方が行えます。外部から歯科麻酔医を呼ぶ必要がないため、麻酔医の日程に合わせて手術日を決めたり、麻酔医に支払う静脈内鎮静の特別な料金が不要になります。
安全なインプラント手術のために
インプラント手術中の安全対策を万全にするため、かねこ歯科インプラントクリニックでは以下の処置などを行っています。
【生体情報モニター】
かねこ歯科インプラントクリニックでは、インプラントなどの口腔外科手術の際には生体情報モニターを使用し、脈拍・血圧・心電図・呼吸などの全身状態を厳重に監視しています。生体情報モニターにデータを映し出すことにより、全身状態をリアルタイムで把握しながらインプラント手術を行うことができます。体調の変化が起きた場合でも、迅速な対応が可能です。この生体情報モニターはインプラント手術に不可欠なものですが、多くの歯科医院にはない設備です。
【静脈路の確保】
かねこ歯科インプラントクリニックでは、ほとんどの症例で静脈路を確保してインプラント手術を行っています。これにより、体調の変化が起きた場合にすぐに必要な薬剤を静脈点滴できます。また、手術中の緊張や不安、疼痛が強く、心身にストレスをもたらす場合などには、静脈路より抗不安薬や鎮痛剤を投与します。静脈路の確保は、インプラントの手術環境を整える上で必要と考えられますが、通常の歯科医院では行われていないのが現状です。
【酸素吸入】
かねこ歯科インプラントクリニックでは、酸素ボンベを常備しており、術中は経鼻より酸素吸入を行っております。
インプラント手術後の送迎サービス
静脈内鎮静法を行った場合、手術終了後しばらく休憩をとっていただき、その日のうちに帰宅していただけます。安全のためお車の運転はお控えいただいています。 インプラント手術の際に静脈内鎮静法を行った患者さまには、タクシーを利用して安全にご自宅までお送りしています。もちろん、費用はかねこ歯科インプラントクリニックの負担ですので心配ありません。
CT検査、インプラント・シミュレーション
CT検査、インプラント・シミュレーション情報が入る
ガイデッド手術
- 歯科用 CT
- CT画像
- インプラント・シミュレーション・ソフトウエアへDICOMデータ取り込み
患者さんのCTデータをコンピューターに取り込み、ソフトウエア上でインプラントの手術シミュレーションを行うと、実際の手術が容易になります。
バーチャル手術をあらかじめ行っていれば、術前にかなりの情報をつかめるからです。
- ソフトウエア上でインプラント埋入部位等の設計
- 設計データを成田空港近にあるストローマン・ミリングセンターへインターネット回線を通して送信
(以前はスウェーデンで製作されていましたが、現在は国内で可能になり、納期が短くなりました。
ミリングセンター内で、ロボットによるインプラント上部構造などの製作状況を見学しましたが、内部の撮影はできなかったので、建物の外観のみ掲載。)
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- サージカル・ガイド
- サージカル・ガイドを口腔内に装着
- 3Dプリンタで作られたサージカル・ガイドは、宅配便でクリニックに到着します。
シミュレーション手術のデータをミリングセンターへ送り、サージカル・ガイドというドリルとインプラントの差し込み器具をつくっておけば、歯ぐきを開かないフラップレス手術が可能になります。 患者さんにとっては手術の創が少なく、術者にも負担の少ない手術ができるのです。これをガイデッド手術といいます。
ガイデッド手術の開始までは2週間程度の準備期間がかかりますが、痛くなくて腫れない手術をご希望のあなたには、最適の手術法と思います。
(「オールオンフォー 進化したインプラント治療」医学博士 金子 茂 著より)
ストローマンガイドとノーベルガイド
ストローマンガイドとは、患者さまの外科的侵襲を軽減させ、手術の安全性を向上させるために開発された、最新のコンピュータ・ガイド・インプラント治療システムのことです。ストローマン社の最新のインプラント治療システムであり、中国地方ブロックでは当クリニックが初めて導入し、現在
インプラント・プランニング・アカデミーの講師を担当しています。
ストローマンガイドでは、コンピュータ上で行う治療計画から、専用サージカル・テンプレートを用いた外科手術、補綴治療までを一貫して行えます。
業界第1位のインプラントメーカーが作ったシステムだけあって、たんにインプラント治療の診断とプランニングだけではなく、インプラント窩の拡大形成、インプラントの埋入と上部構造の取り付けまでが可能であるのが特徴です。
ところで、一般的なサージカルガイドは、ラジオグラフィックガイドの形状をCT撮影で取り込み、光造形によりコピーして作られます。この方法では、CTデータでの取り込みと光造形での形状再現の過程で、求めているガイドの形状が変化している可能性があります。
一方、ストローマンガイドは、コピーではなく、ソフトウエアで作製した形状を3Dプリンターでそのまま再現します。設計した形状が直接ガイドに反映されるので、精度が高いガイド手術が可能になると考えられます。
- ストローマンガイド
(3Dプリンタガイド) -
coDiagnosiXソフトウエアでの
インプラント埋入計画 -
3Dプリンタで製作された
サージカル・ガイド - ストローマン・ガイデッド手術
- ノーベルガイド
(光造形ガイド) -
ノーベルクリニシャン・ソフト
ウエアでのインプラント埋入計画 -
光造形で製作された
サージカル・ガイド - ノーベル・ガイデッド手術
さらに、センターで製作されるガイドだけでなく、技工所で製作するGonyXガイドを選択可能なデュアル・システムであることのも、ストローマンガイドの特徴になっています。
すでにインプラントが埋入されている患者さんの場合は、インプラントを絶対固定源としてガイド手術を行えば、誤差のない埋入手術が可能になります。
センターで製作されるガイドと異なり、GonyXガイドでは個々の患者さんに完全に対応し、インプラントを固定源にしたガイドも製作できるのです。
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スキャナーD7 Plusで模型のSTL
データをスキャンする -
CTデータとSTLデータを重ね合わせ、
coDiagnosiXソフトウエアでのインプラント埋入計画を立案 -
gonyXに取り付け、印刷データをもとに、
テンプレートに穴あけする -
インプラントを固定源にした
gonyXサージカルガイドが完成 -
イドを口腔内に締結し、ドリリング
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シーティングの深度を確認するため、
ガイドを外してインプラント埋入 -
ガイデッド手術で埋入したインプラント。出血がほとんどなく、最小限の手術侵襲
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パノラマエックス線での埋入深度を確認
痛くない、腫れないフラップレス手術
患者さんによっては、手術が恐かったり、手術後の腫れや痛みを心配されている方もいらっしゃると思います。 もちろん、切開して手術部位の骨を確認しながらインプラント手術をするという原則を怠ったために、手術が失敗してしまうといけません。 インプラント手術は通常、歯肉を剥離し、顎の骨を露出させて行う切開剥離手術が原則なのです。 しかし、骨幅が広くて十分なため、歯肉の上から骨の状態が十分だと伺える患者さんでは、歯肉に小さいパンチホールを開けるだけでインプラント手術が行えることがあります。CT撮影をしてガイデッド手術を行っても、切開剥離なしの手術が可能になります。 歯肉の切開剥離なしにインプラントを埋入するこの術式を「フラップレス手術」と言います。 フラップレス手術では、手術時間を短縮でき、術後の腫張や疼痛がほとんどありません。 もちろん、35~70Ncmのトルク値を得たときには即時荷重が可能です。 インプラント埋入直後に仮歯を装着し、審美性と咀嚼機能を回復させることができるのです。 症例を正しく選び、適切な手術をすれば、より低侵襲で治癒期間も短くなります。患者さんに優しい手術法と思います。
かねこ歯科インプラントクリニックのフラップレス手術
かねこ歯科インプラントクリニックでは、フラップレス手術に最適な1ピース、テーパー型、タイユナイト表面の3つの特徴を持つフラップレス手術専用のワンピース・インプラント「ノーベルダイレクト・インプラント」を使用しています。ドリルガイドというアバットメントと同じ形をしたガイドスリーブをドリルにつけて使用できることと、先端が先細りの形状をしているため危険な部位を避けやすいことから、フラップレス手術に最適のインプラントと言えます。
このインプラントはテーパー型で35Ncmの埋入トルク値を得やすく、1ピース、タイユナイト表面のため、インプラントと歯肉の境界からの細菌の侵入を防ぎ、インプラント周囲の骨吸収を防止できます(ソフトティッシュ・インテグレーション)。
症例1 下顎前歯部症例
症例2
術前(右側) |
右下の奥歯が2本欠損していた。80歳以上の高齢の患者さまであるため、手術侵襲が少ないフラップレス手術を選択した。 |
術中1(右側) |
右下の奥歯の歯肉にパンチで穴をあけた。 |
術中2(右側) |
2本のノーベルダイレクト・インプラントを埋入。手術時間はわずか20分。 |
補綴後(右側) |
インプラントの上に人工歯冠をかぶせた。 |
術前(左側) |
右側のインプラントが好評で、左側もインプラントを希望された。入れ歯だったため、隣の歯にたくさん汚れがついていた。 |
術前(左側) |
入れ歯を入れた状態の術前写真。入れ歯ではよく噛めず、バネも邪魔であった。 |
術前(左側) |
左側は右側に比べ骨が薄かったため最小限のフラップを空けて骨を確認し、インプラントを2本埋入。手術時間は約30分。 |
補綴後(左側) |
インプラントの上に人工歯冠を被せた。入れ歯と違い、バネもなく美しくよく噛める。 |
術後のX線写真 |
下顎左右に2本ずつ、合計4本のノーベルダイレクト・インプラントを埋入し、補綴した。 |