歯根嚢胞・顎骨周囲炎
歯根嚢胞
歯根嚢胞とは、神経の治療(根管治療)後の歯の根尖部に形成される嚢胞(ふくろ)のことです。顎嚢胞のうちではもっとも発生頻度の高いものです。嚢胞には黄褐色の漿液や膿が認められ、歯肉の腫れが主訴です。
治療法として、小さな歯根嚢胞は根管処置で対処します。大きな歯根嚢胞は嚢胞摘出術および、歯根端切除術を行います。歯が保存不能な場合は、抜歯も行います。
右上中切歯の歯根部あたりに歯肉の腫脹が認められる。膿の臭いを主訴に来院した。 |
右上中切歯歯根嚢胞の術前X線写真。根尖の吸収を認めた。 |
右上中切歯の嚢胞摘出。歯根端切除後のX線写真。 |
摘出した歯根嚢胞と根管充填剤、切除した根尖。 |
※保険適用
顎骨周囲炎
むし歯や歯周炎を治療せずに放置すると、激しい痛みを伴うようになります.これを放置すると炎症は拡大し、顎骨周囲にまで感染が及ぶことがあります。この重症化した歯性感染症を「顎骨周囲炎」と呼びます。
顎骨周囲の腫脹、疼痛が顕著になり、発熱や全身の倦怠感、リンパ節腫脹などの症状を併発します。治療として、歯内治療、口腔内外からの切開排膿、抗生物質の投与などを行います。さらに症状が重症化すれば、入院加療が必要になることがあります。
症例
右下顎部の腫脹を認めた。 |
右下顎部の腫脹は軽快した。 |
右下顎部の腫脹を認めた。 |
右下顎部の腫脹は軽快した |
※保険適用