インプラントを長く持たせるには...

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インプラントを長く持たせるには...

インプラントの補綴設計

インプラント上部構造は、インプラント・レベルの上部構造とアバットメント・レベルの上部構造の2つに大別されます。

1) インプラント・レベルの上部構造

インプラント・レベルの上部構造とは、インプラントの骨内部分に当たるフィクスチャーに、セメント固定用のアバットメントを連結して、その上にクラウンをセメントで固定したものです。

1) インプラント・レベルの上部構造 (※インプラント・レベルの上部構造その1: セメント固定式

天然歯のクラウンに近い仕組みのため、広く行われている上部構造といえます。
インプラントブリッジの支台インプラント(土台となっているインプラント)が2本で、清掃性に問題ない場合は、セメント固定式のインプラント・レベル上部構造を採用します。セメント固定は簡便であり、経費も安くてすみます。

一方、スクリュー固定の上部構造を、インプラントに直接連結したインプラント・レベルのスクリュー固定上部構造もあります。

インプラントが単独植立(1本立ち)の場合は、インプラント・レベルのスクリュー固定式を採用します。
インプラントにトラブルが発生した時は、上部構造を外して点検します。この時、単独植立のセメント固定式の場合は、除去時の引っ掛かりを作りにくいため、クラウンを外しにくいと言えます。このため、単独植立ではインプラント・レベルのスクリュー固定を採用するのです。

1) インプラント・レベルの上部構造

(※インプラント・レベルの上部構造その2: スクリュー固定式

※イラストの出典「オール・オン・フォー進化したインプラント治療」(金子茂 著/ 現代書林)

2)アバットメント・レベルの上部構造

インプラント上部構造は、インプラント・レベルとアバットメント・レベルの上部構造の2つに大別されます。次に、アバットメント・レベルの上部構造について説明します。

2)アバットメント・レベルの上部構造

※イラストの出典「オール・オン・フォー進化したインプラント治療」(金子茂 著/ 現代書林)

3本以上のインプラントを連結させる症例の場合は、アバットメント・レベルの上部構造になります。
生涯にわたりインプラントが機能し続けるには、インプラントを点検できる構造にしなければなりません。メンテナンスの時に取り外しできる、スクリュー固定の上部構造(術者可撤式上部構造)を作ることが大切なのです。

2)アバットメント・レベルの上部構造オール・オン・フォーには、アバットメント・レベルのスクリュー固定上部構造が採用されている。

例えば、オール・オン・フォーようなフルアーチのインプラント症例は、セメント固定式ではなく、スクリュー固定式の上部構造になっています。

顎骨は複雑な形状をしています。インプラントを埋入するのは、二次元に広がる地面に電柱を埋め込むのとは異なります。複雑な形状の顎骨に、3本以上のインプラントを平行に埋入することは不可能なのです。

2)アバットメント・レベルの上部構造複雑な形状をした顎骨に、3本以上のインプラントを平行に埋入することは不可能です。

2)アバットメント・レベルの上部構造SRA(スクリュー固定用)アバットメント
左から0°ストレート, 17°角度付き, 30°角度付き

そのため、アバットメントで補正し、スクリュー固定の上部構造を作ります。傾斜埋入されたフィクスチャーにSRA(screw-retain abutment)アバットメントを連結して、インプラントの埋め込み角度を補正します。そして、アバットメント・レベルのスクリュー固定上部構造を作ります。

【まとめ】
患者さんのインプラントが生涯安定し続けるには、上部構造を外して点検できる仕組みを作らねばなりません。そのために、スクリュー固定式上部構造を採用しています。

インプラントのメインテナンス

インプラント治療後のメンテナンス予約の回数と最適な期間について、2016年に報告された論文があります。
( Role of supportive maintenance therapy on implant survival: a university-based 17 years retrospective analysis. IC Gay et al. Int J Dent Hygiene 14, 2016; 267-271)

米国テキサス大学で治療を受けた1020名の患者さんを、(1)1年に1回以上メンテナンス通院を行う患者さん、(2)メンテナンスを行うが不定期に受診する患者さん、(3)メンテナンスを行わない患者さん の3つのグループに分け、インプラントの生存率を検討した。

(1)1年に1回以上のメンテナンス通院を行う患者が一番高いインプラントの生存率を示し、(3)メンテナンスを行わない患者が一番低い生存率を示した。

すなわち、4年経過した時点での累積生存率は、メンテナンスを定期的(年に1回以上通院する)に行う患者では97.6%, メンテナンスを不定期に行う患者(通院間隔が1年を超える)では94.3%, メンテナンスを行わない患者では87.4%であった。

インプラントのメインテナンス

Cox回帰分析では、 定期的なメンテナンスを行う患者は、メンテナンスを行わない患者と比較して、インプラントの失敗率を90%分軽減させている(p=0.001)。

不定期にメンテナンスを行う患者は、メンテナンスを行わない患者と比較して、インプラントの失敗率を60%分軽減させている(p=0.08 統計的に有意差なし)。

メンテナンス通院はインプラントとの生存において重要な役割を担っており、 患者は少なくても年1回のメンテナンス通院を行うべきである。



(Role of supportive maintenance therapy on implant survival: a university-based 17 years retrospective analysis. IC Gay et al. Int J Dent Hygiene 14, 2016; 267-271)

メンテナンス間隔は、3~4ヶ月
少なくとも年1回のメンテナンスが必要と報告されましたが、何ヶ月おきのメンテナンスが適切なのでしょうか?

インプラントの場合は、論文が確認できないため、歯周病の場合を参考にしました。
3~4ヶ月のメンテナンスリコールが歯周組織のアタッチメントレベルを維持し、プラークの付着をコントロールすると報告されています (Supportive periodontal therapy. Renvert S, Persson GR. Periodontol 2000 2004; 36: 179-195)。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

  SPT(*)のメンテナンス間隔
Eickholz et al. (2008) 初年度は3ヶ月、次年度より6ヶ月
Tsami et al. (2009) 3ヶ月初旬~4ヶ月(臨床医の判断)
Matuliene et al.(2010) 3ヶ月初旬~6ヶ月(患者のリスクによる個別の期間)
Miyamoto et al. (2010) 3ヶ月~6ヶ月(臨床医の判断)
Costa et al. (2014) 最長6ヶ月
Kim et al. (2014) 3ヶ月~6ヶ月(臨床医の判断)
Seirafi et al. (2014) 3ヶ月~6ヶ月(臨床医の判断)

(Impact of Patient Compliance on Tooth Loss during Supportive Periodontal Therapy: A Systematic Review and Meta-analysis. C.T. Lee et al., Journal of Dental Research 2015, Vol. 94(6) 777-786)

*SPT: supportive periodontal therapy 歯周治療を行った後、歯周組織を維持するために、患者のセルフケアと歯科医院のメインテナンスを継続すること。歯周病の再発防止と、再発時の早期治療を目的とする。

これらの論文を参考にして、当クリニックでは、インプラント治療を受けた患者さんには、年3回程度のメンテナンスをすすめています。

フルアーチ・インプラント患者さんのメンテナンス

オールオンフォーのように、全ての歯をインプラント交換した患者さんは、アバットメントレベルの上部構造が取り付けられています。オールオンフォーの上部構造は、取り外して完全な清掃ができる構造になっているのです。
2ヶ月に1回程度メンテナンスに受診していただき、上部構造を取り外して、完全なクリーニングを実施しています。丁寧なメンテナンスにより、経過10年以上の長期症例が増え続けています。

インプラントのメインテナンス

インプラントの歯磨き法

1)清掃器具の選択

お口の中をきれいにするには、複数の清掃器具が必要です。
歯ブラシ1本だけでは、いくら丁寧に時間をかけて歯を磨いても、歯の汚れ(プラーク)は6~7割くらいしかとれません。
歯ブラシ1本では、「磨けたと思っても、本当は磨けていない」のです。
プラーク除去を100% に近づけるため、(a)ワンタフト歯ブラシ、(b)歯間ブラシ、(c)電動歯ブラシ、(d)ウオーターピック、(e)デンタルフロスなどを併用することをおすすめします。

a)ワンタフト歯ブラシ  (重要度 ★★★★☆

a)ワンタフト歯ブラシ  (重要度 ★★★★☆)

歯並びの悪いところや、最後臼歯の後方、歯間などが磨きやすいブラシです。
簡単に使えますので、まず、普通の歯ブラシに加えてください。
インプラント用のワンタフト歯ブラシは、毛先はやわらかめです。

b)歯間ブラシ  (重要度 ★★★★★

b)歯間ブラシ  (重要度 ★★★★★)

歯ブラシに、歯間ブラシを併用する事で、ほとんどの汚れが除去できます。
(ワイヤーコーティング加工されたインプラント用の歯間ブラシ)

歯間ブラシには、大きく分けて2つの種類があります。真直ぐのものとL時型に曲がっているものです。奥歯の操作を優先したいので、L時型のものをお勧めします。まっすぐのものは、奥歯に入れる時にワイヤーを曲げる必要があるため、奥歯には不向きです。
先のサイズは、一番小さいSSSを使ってください。無理に押し込んで、傷がつくのを防ぐため、小さなサイズを使うのです。ただし、歯と歯の隙間の大きい方は、SSやSサイズでもかまいません。
インプラント用の歯間ブラシは、金属ワイヤーにコーティング加工がされています。インプラントの素材チタンは、軟らかい金属です。金属むき出しワイヤーの歯間ブラシを使うと、インプラント表面に傷がつくため、コーティング加工された歯間ブラシを使うのです。

c)電動歯ブラシ (重要度 ★★★☆☆
  • 音波ブラシsonic toothbrushソニケア
  • 回転振動ブラシoscillating-rotating toothbrushオーラル-B)

電動歯ブラシは大きく分けて2種類あります。ソニケアのような「音波ブラシ」とオーラルBのような「回転振動ブラシ」です。プラーク除去率についてですが、「音波ブラシ」の方が、「回転振動ブラシ」よりもプラーク除去率が高いという報告があります(Starke M et al. J Clin Dent. 2017 Mar;28:A29-35)。反対に、「回転振動ブラシ」の方が、「音波ブラシ」よりもプラーク除去率が高いという報告もあります(Ccahuana-Vasquez RA et al, J Clin Dent. 2015;26(3):80-5.)。研究期間は3ヶ月程度ですが、歯や歯肉に安全に使用できると報告されており、両者の性能はほぼ同じと思われます。

(c)電動歯ブラシ (重要度 ★★★☆☆)
左から、電動「音波ブラシ」、電動「回転振動ブラシ」、手用「平面カットブラシ」、手用「山切りカットブラシ」

長期の使用ではどうでしょうか?
電動「音波ブラシ」、電動「回転振動ブラシ」、手用「平面カットブラシ」、手用「山切りカットブラシ」の4者を用いて、象牙質の磨耗について、 8.5年間使用の in vitroシミュレーションを行った論文がありました(Toothbrush abrasivity in a long-term simulation on human dentin depends on brushing mode and bristle arrangement. Mozhgan B et al, PLoS One. 2017; 12(2) )。

(c)電動歯ブラシ (重要度 ★★★☆☆)
縦軸は象牙質の磨耗、横軸1は「音波ブラシ」、横軸2は電動「回転振動ブラシ」、横軸3は手用「平面カットブラシ」、横軸4は手用「山切りカットブラシ」

結果は、(1)電動「音波ブラシ Sonicare」、(2)電動「回転振動ブラシ Oral-B」、(3)手用平面「カットブラシ Dr. Best」、(4)手用「山切りカットブラシ Blend-a-Dent」の順に象牙質の磨耗が激しかったとされます(p<0.001) 。「音波ブラシ」は「回転振動ブラシ」よりもヘッドが大きく、振れ幅や振動数も大きいため、象牙質の磨耗効果が大きかったとディスカッションされています。

一方、いくつかの「音波ブラシ」は長期間の使用で歯肉の損傷を認めましたが、「音波ブラシ」ソニケアは硬組織や軟組織へダメージを与えず、効果的にプラークと歯周組織周囲の炎症を減少させる と報告している論文もあります。(Implant Maintenance: A Clinical Update, Minkle Gulati et.al Int Sch Res Notices. 2014 Jul 9)。

電動歯ブラシの性能は甲乙つけがたいようですが、手用の歯ブラシよりもプラーク除去率が高いため、歯磨きを苦手にしている方には推奨します。

e)ウオーターピック (重要度 ★★☆☆☆
  • (上図:据え置きタイプ)
  • (上図:ポータブルタイプ)

ジェット水流洗浄器(ウオーターピック)を用いれば、歯ぐきの奥までを簡単に洗浄できます。
とくに、重度の歯周病になっている方や、矯正装置をつけている方、多くの歯をインプラントに交換したフルアーチのインプラント患者さんに適します。
インプラント周囲炎の原因になる歯周病菌は、歯ぐきとアバットメントの境界にいます。それを効果的に洗い落とせるのです。
据え置きタイプ(画像:左)だけでなく、移動も可能なポータブルタイプ(画像:右)も販売されています。
ポータブルタイプは、どこにも持って行けるので、旅行や出張、職場用に向いています。

f)デンタルフロス (重要度 ★★★☆☆
  • (柄付フロス Y型)

    (柄付フロス Y型)

  • (フロス、見やすいように長めにしています。)

    (フロス、見やすいように長めにしています。)

歯と歯の隙間が小さく、歯間ブラシも入らない場所には、デンタルフロスを使います。
種類は、柄がついているものと、糸だけのものがあります。はじめは柄が付いているフロスが使いやすいと思います。柄が付いているデンタルフロスには、F型のものとY型のものがありますが、奥歯で使いやすいY型を選びます。
慣れれば、糸だけのフロスも上手に使えるようになります。

  • (フロスの長さの目安)

    (フロスの長さの目安)

  • (フロスのつまみ方)

    (フロスのつまみ方)

デンタルフロスを30cmくらいの長さに切り、両手の中指に巻き付けます。伸ばした中指通しが当たる長さに調節します(左図)。
人差し指と親指で糸を挟んで、間が1~2cmになるように調節します(右図)。
少し動かしながら歯と歯の間にデンタルフロスを挿入します。歯どうしの接触点を通過して歯ぐきに近くなったら、そこで止めます。取り出す方向(歯冠側)にむかってプラークをかき出しながら、フロスを取り出します。

2)洗口剤と歯磨き剤
  • 2)洗口剤と歯磨き剤

    (インプラント患者さんのために開発されたフッ素無配合の歯磨きジェル。
    自分の歯が1本もなく、全てインプラントに置き換わっているオールオンフォーやインプラント・オーバーデンチャーの患者さんが使用すべき歯磨きジェル。)

  • 2)洗口剤と歯磨き剤

    (通常のフッ素入り歯磨きジェル。インプラントと自分の歯が混在している患者さんは、普通のフッ素入りジェルを使用すべき。)

歯磨き剤に配合されているフッ素が、インプラントの素材であるチタンを腐食し、インプラント周囲炎の原因の一つになりうると報告されました。そこで、「フッ素無配合の歯磨き剤」も販売され、インプラント治療を受けた患者さんに使用されている現状です。

しかし、最新の文献レビューでは、「フッ素無配合の歯磨き剤」を使用することによる天然歯の「虫歯リスク」の方が懸念されるということがわかってきました。
フッ化物配合歯磨剤はチタン製インプラント利用者の インプラント周囲炎のリスクとなるか:文献レビュー、相田 潤ら 口腔衛生会誌 J Dent Hlth 66: 308-315, 2016)

口腔内では、唾液による希釈作用や緩衝作用,フッ化物による細菌の酸産生能の低下も認めるため,フッ素配合歯磨き剤の中止を推奨する根拠は乏しいと考えられます。
自分の歯が残っているインプラント患者さんが,フッ化物配合歯磨剤の利用を中止した場合,虫歯リスクが増加するとも考えられるのです。

そこで当クリニックでは、歯が1本も残っておらず、オールオンフォーやインプラント・オーバーデンチャーとなっている患者さんには、「フッ素無配合の歯磨き剤」を使用してもらっています。
一方、自分の歯とインプラントが混在している患者さんには、通常の「フッ素入り歯磨きジェル」を使用するように説明しております。

3)ブラッシング方法
a)インプラント手術直後の歯ブラシ
  • a)インプラント手術直後の歯ブラシ
  • a)インプラント手術直後の歯ブラシ

インプラント手術のあとは、歯ぐきが傷つかないようにしないといけません。
インプラント手術後は、写真のようなドーム状で、軟らかい毛先の術後歯ブラシで優しく磨くとよいでしょう。
手術後、歯ぐきの早期治癒まで2週間程度かかります。この間にうがいをしすぎたり、強めの歯ブラシをしたりすると、血餅が外れて手術創が裂開しやすくなり、治癒が遅延するので注意が必要です。
術後2週間程度で行う抜糸までは、手術部位の歯ブラシを止めるか、この歯ブラシで軽く磨く程度にします。

b)歯ブラシの持ち方

b)歯ブラシの持ち方

グーでにぎるのではなく、鉛筆握りの方が力の加減がしやすく、細かいところまで磨けると思います。

c)磨き方

インプラントの歯は、自分の歯と違い虫歯にはなりません。しかし、歯周病細菌がお口の中にいると、インプラントの歯周病(インプラント周囲炎)になることがあります。油断せずに、ブラッシングを励行してください。

インプラントの歯磨き法は、ローリング法やスクラビング法を行います。強すぎる力では磨きすぎないように注意します。
インプラントにはセラミックや貴金属の人工歯が装着されていると思います。高価な歯科材料は、生体親和性がよく、細菌も付着しにくいので、優しい力で磨けばプラークは除去できます。力をいれて磨く必要はありません。

c)磨き方

10年経過症例

長期にわたって、インプラントの治療結果にご満足頂くために

かねこ歯科インプラントクリニックは、2000年7月に開院しました。開院から早くも17年経過しましたが、これまで500名以上の患者さまにインプラント治療を行い、1,700本以上のインプラントを埋入してきました。そのなかで、インプラント埋入から、10年以上経過した長期症例を報告します。
2011年と2012年の科学論文によると、インプラントの成功率は10年後に95%を超えると報告されています(参考文献1,2)。
治療結果が長期間維持されやすいことは、入れ歯やブリッジと異なるインプラントの大きな特徴といえます。何回作りかえても満足できない入れ歯や、グラグラ揺れるブリッジ、被せをはずして治療しても治らないあなたの歯の悩みも、インプラントで解決できると思います。

症例1 【2001年:上顎左右大臼歯76 67に4本埋入、術後16年経過】
  • 症例1 【2001年:上顎左右大臼歯76 67に4本埋入、術後16年経過】
  • 症例1 【2001年:上顎左右大臼歯76 67に4本埋入、術後16年経過】
  • 症例1 【2001年:上顎左右大臼歯76 67に4本埋入、術後16年経過】

部分入れ歯で悩んでいた患者さんから、「入れ歯での生活が辛いので、こちらではインプラントしていますか?」と相談され、インプラントを行いました。この患者さんは、上顎臼歯部の骨が不足していたため、上顎洞挙上術が必要でした。そこで、当時は新しい技術であったソケットリフト法を併用し、4本のインプラントを左右同日に埋入しました。手術後、診療台から降りた患者さんが「ありがとうございました。」と、深々と頭を下げられたことを、今でも覚えています。国産の標準的なインプラントシステムを使用していましたが、16年間以上維持できています。このインプラント手術から7年後に、右下第1大臼歯が脱落しました。患者さんは、その欠損部分もインプラントを希望されました。9年経過しましたが、このインプラントも良好です。

症例2 【2002年:左下大臼歯67埋入、術後15年経過】
  • 症例2 【2002年:左下大臼歯67埋入、術後15年経過】
  • 症例2 【2002年:左下大臼歯67埋入、術後15年経過】

「退職前に、歯をきちんと治したい。白い歯にして欲しい。」と来院されました。まず、悪くなった下顎大臼歯を抜歯し、抜歯窩の治癒期間を待ちました。次に、15年前の当時は新しい技術であった骨造成術を併用、骨の欠損部に骨補填材を填入、同時にインプラントを埋入しました。上部構造は審美性の高いセラミッククラウンですが、何のトラブルもなく、15年間維持できています。

症例3 【2002年:右下大臼歯76埋入、術後15年経過】
  • 症例3 【2002年:右下大臼歯76埋入、術後15年経過】
  • 症例3 【2002年:右下大臼歯76埋入、術後15年経過】

右下の歯が欠損したまま放置していました。15年前は広く知られていなかったインプラントについて紹介したところ、患者さんはインプラントを希望されました。右下の2本のインプラント手術が成功し、噛めるようになったため、大変喜ばれ、翌年左上の2歯の欠損もインプラントにしました。このインプラントも、問題なく15年間維持されています。8年後、ブリッジで治療されていた左下の2歯も破折したため、インプラントで治療しました。治療した6本のインプラントはすべて経過良好です。

症例4 【2003年:右下大臼歯6埋入、術後10年経過】
  • 症例4 【2003年:右下大臼歯6埋入、術後10年経過】
  • 症例4 【2003年:右下大臼歯6埋入、術後10年経過】

右下の大臼歯をインプラントで治療しました。結果に満足され、右上もインプラント治療を行いました。術後14年維持されています。

症例5 【2003年:右上臼歯64埋入、術後14年経過】
  • 症例5 【2003年:右上臼歯64埋入、術後14年経過】
  • 症例5 【2003年:右上臼歯64埋入、術後14年経過】

ソケットリフトと骨造成を行い、HAインプラントを埋入しました。術後14年維持されています。

症例6 【2003年:左下大臼歯67埋入、術後14年経過】
  • 症例6 【2003年:左下大臼歯67埋入、術後14年経過】
  • 症例6 【2003年:左下大臼歯67埋入、術後14年経過】

下顎の大臼歯2歯欠損の典型的なインプラント症例です。骨量が十分ある平易な症例であり、14年以上トラブルなく、インプラントは維持されています。インプラントを長期間維持させるためには、定期的な通院が必要です。

参考文献

1)Fischer K et al. Prospective 10-year cohort study based on a randomized controlled trial on implant-supported full-arch maxillary prostheses. Clin Implant Denta Relat Res 2011

2) Buser D et al. 10-year survival and success rates of 511 titanium implants with a sandblasted and acid-etched surface: a retrospective study in 303 partially edentulous patients. Clin Implant Dent Relat Res 2012

論文2)を報告したブーザー教授と、2012年開催のITI congerssにて

  • 論文2)を報告したブーザー教授と、2012年開催のITI congerssにて
  • 論文2)を報告したブーザー教授と、2012年開催のITI congerssにて

ITI congressでは、当クリニックで行った即時荷重フルアーチ・インプラント症例(57顎、276本)の報告を行いました。

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